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Xは何故ダメなのか - Xにおける地上戦
投稿者: Ladios 掲載日: 2004-3-3 (7900 回閲覧)

Xはそれまでのスト2に比べて圧倒的に地上戦の駆け引きが希薄です。

確かに移動技が追加され、跳び込みや突進技の判定が強いというのもありますが、それだけならばターボと同じです。しかし、ターボに比べてもまだ地上戦が重要ではありません。何故でしょうか?

実は、原因はピヨリダメージの変更にあります。そして、追加システムがそれに追い討ちをかけています。

X以前での地上戦

どういうことかというと、本来スト2では大攻撃や必殺技が連続で2回当たるとほぼピヨリます。ターボではピヨリダメージが多少低下しているようですが、Xに比べればごく僅かです。

つまり、地上戦で相手の大攻撃や必殺技を喰らった場合、そのピヨリダメージを回復するための充分な時間を空けずにもう1発喰らったらピヨリ=ラウンドを失うのです。

本来のスト2で地上戦を行なっているときに、相手の大攻撃もしくは必殺技を一発喰らったら、ガードを固めて次の攻撃を喰らうことだけは避けねばなりません。そう、1発喰らっただけで、相手が有利な状況になるのです。言い換えればそれだけ1発の価値が重いのです。

逆の立場から見れば、相手に1発当てた後、相手はピヨリを嫌がって防御に回るはずですので、そこに付け込んで大胆な行動に出ることが出来ます。普段、牽制が上手く近寄ることが困難な相手でも、この時はピヨりを恐れて極力手を出すのを避けますから、踏み込んで行って投げさえも狙えます。

大1発でなくても、例えば中を2回当てた場合でも相手はピヨリ寸前です。自分のピヨリダメージの計算が出来ない程度の相手ならば、その後も無謀に牽制を出すでしょうから、相打ちでも良いので攻撃を合わせてやれば相手はピヨリ確定です。

自分のピヨリダメージが計算できてる相手だと、中攻撃を2発連続で喰らう怖さは知っているでしょう。そして、さらにそういう時に相手に踏み込まれて、投げを狙われた時の怖さも知っています。だからこそ、そこに漬け込むことができるのです。

このように、1発のクリーンヒットがその後ピヨリダメージが回復するまでの間のイニシアティブを左右するので、プレイヤー両者は安易にスキのある大攻撃や必殺技を出せず、フェイントやフットワークを駆使して1発の攻撃を当てることに集中するのです。

このお陰でどんなに体力的に不利な状況であっても、地上戦から突破口を切り開いて逆転することが出来ます。

スト2の対戦において、「地上戦が上手ければキャラ性能的に不利であっても、プレイヤー性能でひっくり返して勝てる」と言われるのは、このバランスがあってこそなのです。

このお互いに迂闊に動けない状態での地上戦こそがスト2の醍醐味です。

ピヨリダメージ低下による1発の価値の低下

しかし、ピヨリダメージが低下し、実質跳び込みなどから連続技を決めなければピヨらない状況ならどうでしょうか?

地上戦では幾ら相手の攻撃を喰らっても、致命的ダメージにはなりません。イニシアティブを大きく左右するのは、ダウンぐらいのものです。つまり、ピヨリダメージの少ないXでは地上戦は適当に大足や必殺技でダウンを奪い、起き上がりに跳び込んで攻めるという戦い方が主体となります。地上戦自体よりも、起き攻めがヒットするかどうかで勝敗が決まるのです。

こうなると、技の判定が強い相手に対し、その判定の合間を縫って足払いを差し込んでいくという戦法の有効性も低下します。以前なら判定の強い技を連打されても、シビアな見切りで2、3回上手くクリーンヒットさせればピヨっていたものが、ピヨら無くなるため、わざわざ判定的に不利な攻撃を難しいテクニックを使って返す意味がなくなります。結果的に見切りの上手いプレイヤーに対しても、判定の強い技を適当に連打している方が有利になるのです。

つまり、地上戦においては今までのスト2に比べてプレイヤー性能よりもキャラ性能がより勝敗を左右するバランスになります。こうなればキャラ的に地上戦の不利な相手には、無理してプレイヤー性能でひっくり返そうと考えずに、地上戦を放棄したほうが勝率は上がるという結果になります。

地上戦での駆け引きを完全否定するスーパーコンボ

また、スーパーコンボの存在により、相手側にゲージが溜まった時点で地上戦で使える技はかなり限定されます。相手のスーパーコンボの性能や、自分のキャラの地上技の性能によってはゲージが溜まった時点で地上戦を放棄しなければならない組み合わせも多くあります。

スーパーコンボは相手に技を多くヒットもしくはガードさせた方が早く溜まるため、多くの場合は体力的に劣勢な方よりも優勢な方が先に溜まることが多く、こうなるとますます地上戦で逆転を狙うことは難しくなります。カプコン側の売り文句は「スーパーコンボで一発逆転」ですが、殆どの場合は優勢な方が劣勢な方をスーパーコンボを使って、もしくはちらつかせて虐殺という形になるのが現実です。

投げ抜けも少なからず地上戦に影響しています

さらに、投げ抜けも地上戦のバランスを変えています。今までのスト2ならば相手がスキのある大攻撃や必殺技を空振ったときに、相手と同じように大攻撃や必殺技での反撃だけではなく、踏み込む時間的余裕があれば投げによるより大きなダメージとダウンのイニシアティブを得られました。迂闊に隙を作ることはリターン以上のリスクがあり、だからこそ博打では出せなかったのです。

ところが投げ抜けがあれば、投げによるダメージを約半分に出来る上、イニシアティブ的にもそんなに不利な状況ではなくなります。つまりリスクが低下したため、より気楽にこれらの攻撃を出すことが出来ます。

とくにケンの昇龍拳などの隙が少ないものは実質投げでしか反撃できない場合もあるため、常に低いリスクで振り回せることになります。

また、仮にある程度ピヨリダメージが蓄積したとしても、投げ抜けがあれば基本的にしゃがみガード安定です。投げられたのを見てから受身を取ることでピヨリダメージを回復できます。

スピードが速いことよりも不安定なことの方が大きな問題

そして最後にこれはターボとも共通ですが、スピードによる問題があります。初代、ダッシュ、スーパーに比べてスピードが速いため、単純に相手の迂闊な技の空振りの隙に、反応速度が間に合わない場合があります。

また、ラウンド中のスピードも一定ではないため、タイミングのシビアな返し技が成功するかどうかは運が絡んできますし、それどころか、前後移動での間合いの維持と言う地上戦では基本中の基本の動作さえ、同じ時間レバーを入れても動く距離は変わってきます。つまり、ギリギリで間合いを見切って空かすことにも運が絡んできます。

ハッキリ言ってしまえば、これらの戦法は実質上使い物にならなくなるのです。実戦で使えるのはシビアではない、今までのスト2ではヌルい見切りや反応だけになります。仮に使えたとしても上に書いたピヨリダメージを考えれば、使う価値はないのですが。

スト2は地上戦が熱いと言われるが

これら全ての仕様から、Xでの地上戦の熱さはスト2に比べれば無いに等しいレベルとまで言えるのです。X程度の地上戦なら、他のゲームでも充分体験できますし、他のゲームと同じ程度にXでは地上戦は勝敗に重要な要素ではありません。

「スト2ならではの地上戦」はXには存在しないのです。


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